自動演奏オーケストラの調整には工学的な技術はもちろん、クラシック音楽に
 
  対する深い造詣がなければまったく不可能といわれています。

  現在、全世界であまりにも技術者が少なく、また、完全に演奏を再現できる博
 
  物館がオルゴールの森博物館以外に存在しないのです。

  まさに天才的な能力を持つ技術者以外修復はもちろん調整すら不可能なのです。

  【 学芸部長の磯貝憲男さん 】
 
  磯貝さんは現在、全世界に5人いるといわれる
 
  修復技術者の一人です。
 
  オルゴールの森に展示してある全ての製品が演
 
  奏可能なのは、彼なくしては考えられません。
 
  オルゴールから自動演奏オルガン、バイオリン
 
  など全ての機械をオールマイティに扱えるのは
 
  世界で彼一人といわれています。

    運がよければオルゴールの森のどこかで点検や調整で歩いている彼に出会えるかもしれま
 
   せん。声をかければ気軽に答えて下さると思います。
 
   しかし彼のオルゴールやオルガンに対する情熱は全ての人に分け隔てなく注がれます。
 
   彼の口からはもし時間があればひとつの質問に対して50個ぐらいの答えや理論が湯水の
 
   ように溢れ出て、場合によっては1時間以上その場を離れられないことを覚悟の上で声を
 
   かけてください。




1901年頃製造されたリモーネ・オルガンの

主要制御部分を調整する磯貝さん

   

  

   

  

  オーケストラフォンともいわれたこのタイプのオ
 
  ルガンは、複雑なパイプの制御によってヴァイオ
 
  リン、バスパイプ、トロンボーン、フルートの音
 
  はもちろん、人のコーラス音までも表現されてい
 
  ます。